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ウードン山で製茶見学 ~文さんのお宅で(9)

〈三〉浪青(ロウチン) 
 夕方から夜中にかけて茶葉を揺らして発酵を促します、…とはどういうことか。
 伊藤園お茶百科の烏龍茶の製造工程を見ていただくのが一番わかりやすいでしょう。
 リンク先の 3.室内萎凋(涼青=リャンチン) と 4.回転発酵(搖青=ヤウチン) のところが、文さんの浪青にあたります。文さんのお宅では機械を使わず、3番のイラストにある竹製のザルに入れたまま茶葉を揺らしてました。午後6時から2時間ごとです。
 文さんのお宅の一階は居間や台所の住居部分と、お茶作りのための作業場と倉庫の間取りになっています。一軒目に訪問したお茶農家は文さんのお宅より大きく、住宅と製茶工場が隣り合わせになって分かれてました。

 烏龍茶は香りが命、といったらなんですけど、香りが特徴のお茶だそうです。それは私もわかります。その香りを出すためには、この、寝かして揺する作業が大切なようです。

 その日摘んだお茶の葉が保管されている倉庫には、青葉の香りが満ちています。家全体に漂っているといってもいいです。
 私がおじゃました日は24個のザルが倉庫の棚に並んでました。
 文さんは直径1mほどのザルを揺すったり、ザルを壁と腰骨で支えてザルの中の茶葉をかき混ぜたり揉んだりします。
 摘んだ茶葉の中にとても大きな葉がありました。鳳凰単叢茶は茶葉が大きいので知られてますが、元が大きいからできあがりも大きな茶葉になるのだなと思ったりしました。
 文さんは作業をしながらお茶の葉を私に見せて説明してくれます。やはり話すことはよくわかりませんが…。
 このブログで今背景に使っている葉のように、葉の脈が浮かび上がってくるのが発酵が進んでいる証拠のようです。―私の想像です。(スキンを変えたら何と同じなのかわからないですね)
 葉にさわると、やわらかくしなっていました。ザルによってしなり具合が違います。摘んだ時間差でしょうか。
 夜10時を過ぎると、前よりも草葉の香りがしなくなったように感じました。青葉の香りが薄れていったような。
 葉の縮み具合も進んでいます。気のせいか、文さんの揺すり方が激しくなり、真剣な表情が怖いくらいでした。
 茶葉の様子を見ながらどの程度揺するか、揺すり方の見極めは経験と勘を要する職人技のようです。
 文さんの1歳2ヶ月の息子さんもお父さんの姿を見て、将来立派なお茶職人になるのかな。 
by ruksak | 2007-08-03 21:48 | 中国 | Trackback | Comments(2)
Commented by lazyMiki at 2007-08-06 21:30
すごいなー、ruksakさん、そのうちお茶屋さんに転職しちゃうんじゃ・・・?
うちの最寄り駅の駅前には、かつて大きな狭山茶のお店があったんですよ。古い感じの平屋の建物で、中は薄暗くて、何となく「老舗」っぽい雰囲気を漂わせていたんです。
その頃は、心ひそかに、あそこでバイトするテはないもんだろーかと憧れたりしたんですよね・・・。
それが、何を血迷ったか、建物を壊してファミマにしてしまい、今ではその片隅でちょこっとお茶を売っているだけ。あんなとこじゃ、頼まれたってバイトしたくないわいっ。
(本筋と離れたバカ話でごめんなさい。)
Commented by ruksak at 2007-08-07 19:11
そんなことないですよ。お茶のことならなんでも。お茶じゃなくてもなんでも。
「老舗」のお茶屋さんはいつまでも残ってほしいけれど、生活がかかっていたら、方向を変えないといけないことがありますよね。
私はおうちカフェで、今日は何茶を飲もうかなと迷ったり、ときに「○○茶とはねえ」と、勝手に説明するほうかなあ。


いつも心に旅があります


by ruksak

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