『深夜特急』に乗って

深夜特急  沢木耕太郎 著  新潮社
 第一便、第二便 1986年  第三便 1992年 (文庫版は全6冊)

 ページがどんどん進む本とそうでもない本がありますよね。
 この本は私に関して前者になります。読むスピードがだんだん加速して、そして止まらなくなりました。私にしては驚異のスピードで三冊読んでしまいました。文学賞を取る作家の文章はやはり上手いです。

 はまりました。今まで読まなかったのは食わず嫌いだったというしかありません。
 本の中身は、簡単にいうと、作者が26歳から27歳にかけて香港からロンドンまで出かけた旅の記録ですよね。一年と二ヶ月間でしたっけ。うらやましいです。

・第一便 香港~シンガポールまで ・・・楽しそう。その一方で切なかった。自分自身の以前の旅がよみがえって。
・第二便 インド~イランまで ・・・すさまじい。自分にはできない。
・第三便 トルコ~ポルトガルまで ・・・ 長旅に疲れちゃったの? 惰性で旅をしている。もっと気楽になりなよ。

 以上がそれぞれの便の感想です。
 二便と三便は、日常の暮らしの中にいるから、そう思うのであって、現地にいたら必ずしもそのようには感じないと思います。実際に体験していない社会に不安を感じるものです。
 私も似たような旅をしていますよね。
私「どこそこに旅行してきた」
相手「よく行ってきたね、怖くなかった? 私は行けないワ」
私「そんなことないよ、そこにいたら当たり前のことをするだけだよ。宿探しも、バスに乗るのも、観光に出かけるのも・・・」
 このような会話を何度もしています。
 長く旅を続けていると、疎外感を味わうことがあります。気持ちに張りがなくなることもあるのです。
 
 この本の影響を受けて、また長い旅に行きたくなりました。でも、きっとないと思います。
 今の暮らしから飛び出す勇気と無鉄砲さがなくなりました。

 文庫版のどれかの対談に沢木氏が1947年生まれとありました。
 26、27歳の旅なら、1973年頃ですよね。
 本が出版される少し前の80年代半ばの旅行と思いこんで読んでました。
 70年代前半に一年以上も海外をフリーで旅行するのはすごいと思いましたが、本の中で日本人旅行者に何人も出会うから、当時から、それ以前から、海外を放浪する日本人旅行者がいたんですよね。

 この本を読むきっかけをつくってくれた、lazyMikiさん、ありがとうございました。
 次に時間に余裕のある旅行に出かけるときは、文庫版の香港編かイラン編あたりを持っていこうかと思います。

PS.口絵写真の沢木氏、カッコイイです。
 
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by ruksak | 2008-03-09 23:45 | 旅の本 | Trackback | Comments(4)
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Commented by lazyMiki at 2008-03-10 00:47
お読みになったんですね~(^0^)/
ruksakさんならきっと気に入ると思いましたよん♪
(見込み通りでちょっと得意。)
だって、旅と向き合う姿勢がとっても似てるんだもの。
もちろん、女性と男性の違いもあるし、時期的な違いもあるから、なにもかもそっくりというわけにはいかないに決まってますが、でも、やっぱりruksakさんは沢木さんに「同類」を感じられるのではないかと思いました。
トラバさせて下さいね~。
Commented by m_benten at 2008-03-10 13:13
沢木さんの本は私も どれかを?読みましたが、
カッコいい旅をしているなあ と思いましたよ。

そういえば 私の離婚した元夫も ちょうどその前後アメリカ、メキシコをバックパッカーしていたんだ、あの頃もそういうことをする人も確かいたんですわ、。

私は とうに無鉄砲さをなくしているので ruksakさんを読んで楽しんでいました。
Commented by ruksak at 2008-03-10 21:20
lazyMikiさん
Mikiさんのプッシュがなかったら、ページ数の多さにずっと敬遠していたと思います。
この本を読んだMikiさんだからこそ、私に合いそうと思われたんですよね。知らぬは本人なりけり、です。
読んでて、宿探しと次の場所への行き方とツーリスト・インフォメーションがよく出てくると思いました。私もこれまでよく話題にしてきましたが、自由旅行には重要な要素です。そういう共通点が出てくるとうれしかったです。
トラックバック、喜んでOKですよ~。
Commented by ruksak at 2008-03-10 21:34
m_benten さん
沢木さんは旅が好きなんですよね。
「深夜特急」の旅は、ほかのアジアを放浪する若者と変わらないですよね。
m_benten さんの元夫さんは、アメリカ大陸のほうに行かれましたか。やっぱり若いうちに外の世界を見たらいいですよね。

私、まだ無鉄砲かな・・・、未だに行きたいと思ったらお金や休みの都合をつけて、行く算段を考えてますね。


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