カテゴリ:旅の本( 141 )

巴里ひとりある記

巴里ひとりある記   高峰秀子 著   新潮社  2011/11/25 (1953年に映画世界社で刊行された本の新装版です)

 高峰秀子さんが「巴里で一人歩き」したのは、昭和26年、27歳のときです。
 人気女優にもかかわらず、半年以上仕事を休んで海外に出かけてしまいました。「映画スタア・高峰秀子」を知る人が誰もいない土地へ脱出したというのが本当のところのようです。半年の休暇を得て、帰国後に「二十四の瞳」はじめ数々の名作を生み出します。
 やっぱりリフレッシュ休暇は必要なんだと思います。高峰秀子さんは5歳で子役デビューしてから20年以上働きづめだったんです。普通の会社でもリフレッシュ休暇の制度をもっともっと広めてほしいです。

 昭和26年のパリや海外旅行について興味がありました。
 この本で印象に残ったことをいくつか・・、 

続く
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by ruksak | 2015-02-23 15:46 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

ふたつの「北極圏一万二千キロ」の続き

 植村直己氏の『植村直己 妻への手紙』と『北極圏一万二千キロ』を読んでたくさん思うことがありました。先月と昨日の文章で書ききれなかったので、今日も少しお付き合いください。

*寒さ
 犬橇=冬=雪と氷⇒北極圏!! ⇐-30度、40度、50度。
 旅の初めのほうで、「低温に順応・・・」という記載があったので、順応したからこそマイナス何十度の気温の中で活動できたと思いますが・・・。(海)水に濡れながらでも、しかも濡れたら服はすぐにカチンコチンに凍ってしまうのに、外で活動できるのはすごい。

*エスキモー
 今はイヌイットの呼称で呼ばれる人たち。犬橇旅のとき('70代半ば)はまだエスキモーと呼ばれていたんですよね。
 グリーンランド、カナダ、アメリカともエスキモーの村や集落があり、どの村も西洋化が進んでいます。カナダやアメリカのエスキモーの方が進み方が大きく、若い世代は英語しか話さないといいます。老人たちはエスキモー語(といっていいのか)がわかり、海を隔てたグリーンランドとのつながりを感じました。

*極地犬
 またまた犬の話ですみません。犬の扱いも犬自体も、日頃周りやペット番組で見る犬とあまりに違うものだからとても気になりました。
 犬橇用の犬は、グリーンランドとカナダ・アメリカで用立てました。橇をひいた犬たちはペットの犬に比べてたいへん野性的です。
 犬のえさで特徴的だったのは、生や凍った、肉、魚、鳥、お互いが排泄した糞も! そして、飢餓状態のときは死んだ(犬)仲間の肉まで!
 現在の愛玩用の犬たちも世代を遡ればこのように野性的だったでしょうか。

*縫い物
 ほつれた衣類や、犬の胴バンドや紐など、自分で縫って直してました。カナダでひと夏過ごしたときは、セーターを補強するために編み物もしています。氷で足の裏が傷つかないように犬用の足袋を何足も縫ったりしました。
 昼間の犬橇行のあと、夜もテントで地味ではありますが犬橇旅の成功に欠かせない作業をしていたのです。
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by ruksak | 2015-02-20 13:56 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

北極圏一万二千キロ

北極圏一万二千キロ   植村直己 著   文藝春秋  1976.9.1

 先月読んだ『植村直己 妻への手紙』(文春新書)の手紙の多くが、この犬橇旅の間に出されたものだったので、旅の記録の方も読んでみました。
 この本を読むと、こちらが北極圏犬橇旅の公式記録で、手紙のほうは舞台裏的記録のように感じられました。両方読んで別々の視点で一つの旅を辿ることができました。
 独りで、マイナス30度や40度を超える厳冬期に、犬橇を繰って、移動する困難は想像に難くありません。橇が海に落ちたり、氷原のただ中で犬たちに逃げられたり、犬たちの食糧不足に陥ったりと、危機一髪の状況に何度も遭遇します。困難な状況の克服なしに、「偉業」は達成しません。

 犬橇旅なので、この本では犬のことと、立ち寄る村々で出会うエスキモーのことが多く書かれています。
 エスキモーにとって犬はペットではなく家畜で、橇をひかせるときは容赦なく鞭を振るいます。それは植村氏も同様です。状況が厳しくなれば「犬を殺して食う」とまで考えることもありました。
 しかし、犬たちが植村氏に馴れるにしたがって、植村氏は犬たちのことを自分が養う家族のように思えてきました。こんなに頑張ってくれた、橇をひいてくれた・・・。 
 エスキモーの人たちには犬橇で長旅をしてもこのような感情はやはり生まれないでしょうか。

 アメリカやカナダのエスキモーたちにはスノースクーターが生活の足になってました。当時犬橇をまだ利用していたというグリーンランドでは現在どうなっているでしょう。 

 今わが北海道も雪と氷の季節です。
 植村氏が犬橇を滑らせていたときのように、気温の上下によって、雪が滑りやすくなったり、昼間融けた雪が朝晩凍って靴底にガリガリと音が響きます。
 気温が5度まで上がった先日は、雪融けが進んで道路に水たまりができました。植村氏はこれよりもっと水で覆われた氷原を走ったのだと犬橇旅のことを思い起こしました。

 *北極圏1万2000キロ  ヤマケイ文庫版の紹介ページをリンクしました

  2/25追記: 第一次南極越冬隊隊長・西堀栄三郎氏の序文も必読です。
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by ruksak | 2015-02-19 14:33 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

まだふみもみず

まだふみもみず    檀 ふみ 著    幻冬舎 2000.6.10  /幻冬舎文庫 2003.7.31

 いろいろなところに発表した短いエッセイが一冊の本にまとめられてます。
 役柄とは別の 檀ふみ という人物の人となりがわかります。ざっくばらんで、気取りがなくて。

 海外旅行がテーマの文章の中に、

 人には「郷に入っては郷に従え」のタイプと、どこに行っても「おらが流」をまかり「通す」タイプの二種類あるとは思っていたが、・・・

 という文がありました。
 自分はどうかと振り返るに、日本食はなくてもいいから、「郷に入っては郷に従え」のタイプのような気がするけれど、手で食べるよりスプーンかなにかあったほがいいし、洋式水洗トイレが好ましいし・・。
 無理せず、「郷に入っては郷に従え」ばいいことにしましょう。 

※1/29追記
 恋にまつわるエッセーも収録されているけれど、文庫の解説を書かれた瀬戸内寂聴先生によれば、‘失恋の話などあるけれど、こんなものは恋ではない’ ですと。先生!素晴らしい。
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by ruksak | 2015-01-24 15:58 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

植村直己 妻への手紙

植村直己 妻への手紙   植村直己 著   文春新書  2002/10/21

 本書の大部分は「北極圏一万二千キロ」の犬橇旅の遠征先からの手紙になっています。 
 読み始めて最初に感じたのは、「こっ恥ずかしい」でした。
 婚約時代に、そして新婚のときに愛する女性に宛てた手紙だから、そう思われて当然かもしれません。

 植村氏の冒険は他の著作や映像で知ることができますが、奥さんへの手紙からつい本音が出てしまう魂の叫びのようなものを感じました。
 手紙って訴えかけてくるものがあるんです、・・第三者が読んでも。どうしてなんだろう。

 北極圏の犬橇旅でも手紙を出したり受け取ったりできました。
 だいたい「何月何日頃どこそこの村・町にいるから(着くから) ここに送って」と郵便局・警察署や知り合いの住所を知らせて手紙を受け取ってました。電話が使えるところに行ったら電話で会話もできました。 
 電話なら同時に気持ちを伝えることができます。手紙は一方的に伝えるだけになってしまいます。もっと電話が使えたら、あるいは現代のように瞬時にやり取りできる通信機器があったらと思われたでしょうか。

 他の人の旅先からの便りを読んで自分の手紙を思いました。
 あんな文面でも便りがないよりはいい、かどうか・・・。 
  (旅先から送った我が手紙は カテゴリ>外国便り にあります)
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by ruksak | 2015-01-10 13:14 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

紅茶のある風景

紅茶のある風景 -暮らしてみたイギリス紅茶の世界
土屋 守 著   阿部 真由美 絵    曜曜社出版  1996/6/5

 タイトルに私の好きな、 イギリス と 紅茶 があったら、開かにゃいけないでしょう、ってことで読んでみました。
 イギリス滞在経験に基づいた紅茶のトピックと、パステル調の多数のイラストが、憧れの英国暮らしを演出しています。

 格式のあるホテルで ‘アーリー・モーニング・ティー’のサービスを受けたエピソードが書かれています。寝室にお盆に載せたティーセットが運ばれて、ベッドの中で朝一番の紅茶がいただけます。
 アーリー・モーニング・ティーは、奥さんのために旦那さんが淹れる役目だったそうで、年配の方のなかには現在でもこの習慣を続けているご夫婦があるようです。

 私も、 アーリー・モーニング・ティーを、以前いただいたことを思い出しました。
 アフリカ・カリバ湖ツアーのあとで、ツアーで一緒だった女性のオックスフォードのお宅を訪ねました。夜寝る前に、朝紅茶を飲むかと聞かれて、yesと答えたら、モーニングティーをお盆に載せて持ってきてくれたんです。
 西洋風な、お姫様気分がしました。

(カリバ湖ツアーは、タグ・'91アフリカ で 少し書いてます) 


* 庭@千草 ・・イラストレーターの阿部真由美さんのブログです。絵柄がイギリス本の挿絵にピッタリ合ってます。
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by ruksak | 2014-12-08 16:30 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

ベトナムぶらり旅


ベトナムぶらり旅 イラストで描く庶民の生活  小坂 國男 著   花伝社 2014/5/20

 ホーチミンからハノイまでの一か月の旅を、イラストとイラストに添えられた文章でたどります。
 1ページに二枚ずつ、絵日記を読むよう。
 口絵7ページに本文のイラストのいくつかがカラーで掲載されてます。全部カラーで見たいところですが、しかたないです。
 
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by ruksak | 2014-11-19 13:56 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

カスバの男

カスバの男 モロッコ旅日記   大竹伸郎 著   集英社文庫   2004.7.25

 11日間のモロッコの旅を文章のほかに旅行時のスケッチとその後に制作した銅版画で記しています。(写真も)

 この本を読むまで大竹伸郎という芸術家を知りませんでした。偶然にも先日NHKの「日曜美術館」でお姿を拝見しました。現在もバリバリ活動されてます。

 この本で描かれたモロッコの情景はもちろん大竹氏の目を通して表されたもので、悲しいことに芸術家の方の文章は頭に入っていきませんでした。絵や版画のほうが著者がモロッコで感じた心情が伝わりました。解説を書かれた角田光代さんは、読み終えててすぐにモロッコ行きの航空券を買いに走ったそうで、角田さんは著者の感性を十分吸収されております。

 そんな私に確実に伝わったことは、観光客目当てに言い寄ってくる人が多いこと! です。
 例えばマラケシュでは、
人、人、人の大広場を歩くと、タンジール港に着いたときのガイドの執拗さの、10倍ぐらいの圧力で金を目的に言いよってくる。金だ。金がすべてだ。ここではなにはともあれ金がすべてなのだ。カメラ持つ手に思わず力が入る僕は、ここではヨソモノのカモでしかない。(p119より)

 心して行くようにってことですね。
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by ruksak | 2014-10-14 23:34 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

イスタンブールの目

イスタンブールの目   新藤悦子 文・写真  主婦の友社  1994.4.1

 トルコやイスラム圏に詳しい著者のイスタンブールの思いを記したフォトエッセイです。
 主な内容は、
・イスタンブールの暮らし
・わたしの好きなトルコ料理
・トルコで買いたい素敵な雑貨
・気の向くままにイスタンブール散策
・イスタンブール発アナトリアでこんな旅
 (本の帯より)

 料理のページは写真の代わりにイラストでレシピを紹介しています。
 どのテーマも、いつか行くトルコ旅行の参考にと、ガイドブックのようにも読んでしまいました。

 去年読んだ『羊飼いの口笛が聴こえる』に書かれた内容とつながるエピソードもあります。
 
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by ruksak | 2014-09-22 16:09 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

笛吹きインドひとり旅

笛吹きインドひとり旅   うえの善巳 著  中央アート出版社 2005.7.10

 著者のインド愛を感じる本です。
 インド礼賛ではないんですよ。 ‘これでいいのかインド(人)’みないな記述もあります。
 が、著者にはインドが合ってるんですね~。・・・と思ったところで、私に合った国は? 以前だったら、迷わずイギリスと答えたけれど・・。


 この本でも特に印象に残る箇所があり・・、

その1.ドイツでは下宿の大家が日本人を嫌がる ~部屋で魚を焼くから
“ボクたちが学生のころのハナシ”ということなので、著者の年齢と出版年から逆算して、30年くらい前?
 大家さんから日本人が嫌がれた話は初めて聞きました。

その2.トイレの話題のページに著者の20才のレッスン生との会話が挿入されており、
“「便座ってふつう、すわりませんよねぇ」
 彼女たち潔癖症世代の女の子たちは、それがフツーだという。”
 ―皆さんもそうですか?
 便座に座らない人が私の知り合いにもいたことをすっかり忘れてました。マレー半島の旅でクアラルンプールで友人に会ったとき、私の友人も便座に座らないと話してました

その3.蚊よけには天井から下がったファンが効く
 スーパーの惣菜コーナーなどで小さな扇風機が回っていることがあります。虫よけなんだなーと思いました。
 それよりも前、スリランカのコロンボの宿で宿のおじさんがファンが虫よけになると言った言葉を疑いました。おじさん、すみません、知りませんでした。
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by ruksak | 2014-08-16 13:53 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)


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