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Fadoを聴く

 ポルトガルを代表する歌謡―、Fado(ファド)。ポルトガルに行くなら、聴きたいですよね。
 オビドスで知り合った日本観光客のご夫婦に誘われて、アルファマ地区のファドハウス(ファドのお店)に行きました。「地球の歩き方」に出ています。説明のとおりのお店だったので、ここにその説明文を。
  
ア・バイウカ・アルファマ A Baiuca Alfama
 昼は地元の人が利用する庶民的なレストランで、夜は20:00頃からファドが上演される。ギターを演奏するのはプロだが、歌う人は地元の常連客が多く、店員も演奏に合わせて歌ったりと、下町ならではの雰囲気が楽しめる。(略) 「地球の歩き方 ポルトガル 09-10」 p89より 

 地図は、残念ながらそのとおりでなかったので、自分ひとりでお店を訪ね当てることはできませんでした。連れて行ってと頼まれても、お連れできない…。



 そんなに大きくないお店です。3つの長テーブルを、漢字の「門」の形に並べてます。照明が落とされてよく見えませんでしたが、壁がワインのビンや小型のギター、小さな額入りの絵などで飾られています。ローカル色豊かな装飾です。
 日本人のご夫婦とは現地集合でした。8時半過ぎに着いたとき、お客さんは「門」の左足に当たる側のテーブルにだけ着いてました。扉に一番近い席に日本人のご夫婦が座っています。ご夫婦が一番乗りだったそうです。
 右足側のテーブル、奥のテーブルへとお客さんが順次案内されています。来店時間が近いお客さんの席が近いと注文を聞いたり料理を運ぶのに都合がいいからですかね。ホール係は一人だったかもしれません。ショートヘアの小柄なマダムです。

 料理が来るのが遅いのと同様に、歌もなかなかは始まりません。
 ギターの演奏者が二人来て、そのあと歌い手(「ファディスタ」というらしい)さんがやってきました。歌が始まったのは9時を過ぎてたでしょうか。歌い手さんは3曲づつくらい歌って次々と入れ替わります。
・一人目、中年の男性、長髪、ツバ付帽子を被っている・・・リズミカルな歌、力強い歌声。途中から入り口に立っていた男性二人がコーラスで加わる。
・二人目、年配の男性、丸型体型、赤いスタジアムジャンパーを着ている・・・哀愁を帯びた歌を歌う。
・三人目、若い女性、黒いショールをかけている・・・・小太りの体型、声量ある歌声。
・四人目、若い女性・・・・CDを作っていた(ほかの歌い手さんも作っているかも)
・五人目、年配の男性・・・一人目の歌い手さんのコーラスをしていた方。
・六人目、さっきまでホール係していた小柄なママさん! ママさんの本業は歌い手さん? 待ってましたの拍手に送られ、黒いショールをかけながらギターのところへ。小柄な体格にかかわらずなかなかの声量。最後の「リシュボア、リシュボア」(ポルトガル語でリスボンはリシュボアといいます)と連呼する曲では、お客さんたちも「リシュボア!」と声を掛け合う。

 9時過ぎてからもお客さんがパラパラと来て、いつの間にか満員になってました。
 六人目が終わった時点で11時になっていたので、私たちはお店を出ました。途中でお店を出たのは私たちだけです。
 お客さんは観光客がほとんどでしょう。ヨーロッパの国の方たちかな。
 あとでホステルのスタッフに「観光客ばかりだった」と話したら、「そうだろうね」と返ってきました。

 歌い手さんは誰もマイクを使っていません。それでも十分歌声が響きます。ある本に、「狭く、天井も低いお店の造りが、お風呂場のような音響効果がある」と書いてありました。
 ファドについて語るとき、‘哀調’、‘郷愁’、‘日本の歌に例えるなら演歌や民謡’という言葉が出てきます。
 悲し~い、どよよ~んとした曲をイメージしてました。でも、リズミカルな歌もけっこうありました。歌詞はどのようでしょうか。
 日本の歌や民謡の例えは、‘その国独自の歌謡’という意味としてではないかと思います。
 が、最初の二人の男性の歌いっぷりを聴いて、日本人の奥様が、「五木ひろしにそっくり! 五木ひろしの演歌だわ」と言い切ります。
 五木ひろしが歌っていると念じて聴いたら、五木ひろしに聞こえないこともないけれど…。
 そんなに五木ひろしが歌っているのと同じなら…、
<五木ひろしがファドに出合ったぁ~>という番組を企画したら…、面白いと思いませんか。五木ひろしサンは「夜空」だったか、英語で歌ってましたから、外国の歌謡に関心があるはずです。

*「地球の歩き方」で紹介されている ルーゾ Luso のホームページがありました。HPはこちら
ルーゾは、ファドハウスが多いもう一つの地区、バイロ・アルトにあります。夕方ルーゾの前をたまたま通ったら、客引きのおじいさんにコンニチハと声をかけられました。今夜なら予約しなくても席があるって。カードだけもらって入らなかったんですけど。
 HPを見ると、高級+完璧に観光客向けそうですね。あとで、お年寄りの団体がお店に入っていくのが見えました。ア・バイウカ・アルファマは安い居酒屋風です。スーツを着た歌い手さんは一人もいませんでした。
by ruksak | 2009-06-24 17:46 | ポルトガル | Trackback | Comments(0)


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