カテゴリ:旅の本( 144 )

60歳からの外国語修行



60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ   青山 南 著 岩波新書 2017/09/20刊

 大学の先生が一年間の研究休暇を利用して、メキシコ・グアダラハラにスペイン語を学びに行った体験記です。(滞在自体は10カ月)
 本業は英語作品の翻訳なんですよね。英語のプロだから年取ってからでもスペイン語を覚えるのは他の人より簡単だろう、と思ったら全くそうではありませんでした。語学の取得は楽ではないですね。
 著者は偶然にも、前回(昨年12/13に)紹介した『ベルリンでぷらぷら』にほんのちょっと登場してます。作者の海外就職を応援した先生でした。

 ところどころに挿入されるスペイン語豆知識はスペイン語(語彙)を知る参考になります。

 
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by ruksak | 2018-03-30 11:33 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

ベルリンでぷらぷら

ベルリンでぷらぷら 天使の街でフツ―に暮らした2年間
市原 千絵 著  双葉社  1997/7/21

 海外長期滞在の本を見つけるとつい手に取ってしまいます。
 この本は1992年からベルリンに2年間暮らした方のエッセイです。ベルリンでの日々のエピソードを日本に送る手紙形式で書き綴っています。この「手紙形式」というのが、頭に入っていきやすかったです。話しかけるように書かれているからでしょうかね。 
 
 著者は「外国で働きたい!」という強い意志があったのではないですが、就職活動時にたまたま出てた「デパートの海外支店」の求人広告に応募して香港で働き、いったん帰国後、同じデパートの「ベルリン支店オープニング・スタッフ募集」の広告に出合って、ベルリンで2年間働きながら暮らしました。
 この「ベルリン支店」、ドイツ人向けではなくて、日本人ツアー客向けのいわば免税店のようなお店でした。

“ある期間、仮の場所で暮らす”
 あとがきのタイトルです。
 私も同じ時期にロンドンに長期滞在してました。読みながらときおり自分はどうだったかと振り返りました。このブログの タグ>92イギリス and  93ヨーロッパ で、家族に宛てた手紙を載せています。同じ「手紙形式」でも発信力は乏しいですね。

 本文中に「日本への電話代がすごくかかった」というエピソードがありました。
 ほんとに国際電話は高かったんです。郵便もタイムラグがあるし。それを思うと今はとても便利になったと思います。


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by ruksak | 2017-12-13 15:50 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

イスラーム圏で働く

イスラーム圏で働く ―暮らしとビジネスのヒント  桜井啓子編 岩波新書 2015/9/18

 イスラーム圏に赴任経験のある13名の方の講演やインタビューを文章にしたものです。"体験的イスラーム文化論"は頭に入りやすいです。編者によるエリア別の地域解説もわかりやすいです。

 読み終えて一番に思うのは、やはり、イスラーム圏の方々とビジネスするのは難しそうだな、ということ。私には、と限定してもいいかもしれませんが。
 
「難しい」と思うのは、考え方に開きのあることが多々あるから。
 しかし、読みながら気づきました。日本人同士だって考え方や価値観の違う人がいるじゃないですか。身近な人とのコミュニケーションの取り方の参考になりました。

 他に印象に残ったことを箇条書きに。
1.「イラン人はプライドが高い。紀元前にペルシャ帝国を興したペルシャ民族としての誇りがあると思われる。だから歴史が浅いアメリカに何かと干渉されるのは受け入れ難い」
 ということから、中国と日本の間柄に思いが飛びました。「四千年の歴史」がある中国からすると、日本は歴史の浅い新興国ですよね。
 
2.イラン商人に関するエビソードで。
「近所のクリーニング店にワイシャツを出したら、はじめは1000トマンだったが、2回目は1500トマン、三回目は2000トマンと、店主に愛想よく言われた」
 店主が値を上げていった理由は、
「自分の店を気に入ってリピーターになってくれたのだから、もっと高くしてもまた来てくれるだろうと思ったから」
 こういう発想があったのかと思いました。日本でこのような料金設定は考えづらいですよね。(そういえば、日本の航空会社が燃油サーチャージをすぐに上げるのは、このイランの店主と同じ考えですね) 

3.家族を大切にすること。

4.イスラーム圏でよく聞く「イン・シャー・アッラ―」は直訳すると「もしも神が許したもうならば(等々)」。この言葉は、場面によってさまざまな意味に捉えられる。
 同じように「ボクラ」(「明日(あした)」の意味)は、必ずしも「次の日」を表してはいない。
 

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by ruksak | 2017-10-28 15:42 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ   前野ウルド浩太郎 著  光文社新書  2017.5.20

(光文社のホームページを見ると、本日(10/2)は新書の売行きランキングで2位になってます)

 新聞の書評で読んでみたいと思い・・。
 その書評とは、
 昆虫学者になるべく博士号を取得したが就職できず、ならばとバッタ研究に自費で西アフリカの国モーリタニアへ。バッタの大群が農作物を荒らす惨事を解決するため走り回ったが…。若き昆虫学者の夢あふれるアフリカ奮闘&就活記。(北海道新聞 2017/7/16)
 本の内容が端的に著されてます。(ということであらすじは書評に頼りました)

 アフリカ滞在中や、バッタが出現しない季節にフランスの研究機関に出張してたときにファーブルの聖地を訪ねたエピソード等面白かったです。ですが、それ以上に研究職の職に就くことは極めて難しいということがわかりました。

 さっき、「面白かった」と書きましたが、30代前半の著者の文章はとても‘現代的’でくだけていて、『新書』とは思えませんでした。リンクしたホームページの始めの文章は344~345ページの引用です。今風な感じ、わかりますか。(旧刊になったらホームページなくなっちゃう)
 同じページに、“緑色の全身タイツ”姿のカラー写真も掲載されてて、ますます『新書』っぽくなくて、あっけに取られました。
 そんな現代の若者である著者が目上の人を著すときに敬語を使っていました。博士号を取るような人たちは言葉使いを心得ていると思ったんですが、…安直でしょうか。

 最近小さい文字が読みづらくなりました。新刊の文庫や新書は活字が大きいので有り難いです。図書館でこの本を見つけたとき、厚くて借りるのを一瞬ためらいました。字が大きいとページ数が多くなるんですよね。
 この本では、本文中の写真の一部がカラーだったので、写真も変わってきてるなあと思いました。


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by ruksak | 2017-10-02 17:15 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

「極北シベリア」の続きの話

<北海道大学総合博物館の正面玄関です>
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 今月初めの日曜日に、「北極が語る 永久凍土の世界」 と題する講演会がありまして、、
 講演者の一人に、『極北シベリア』を著した福田正己氏のお名前がありましたので、行ってきました。今年の3月に記事をUPした『極北シベリア』のその後の話が聞ければと思って。


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 福田先生は、小柄で、コロンとした方でした。現在は、北大と福山市立大の名誉教授になられてます。今回の講演ではマンモスをテーマにお話しされました。

 講演のあとで聞いちゃいました、シベリアの放射能汚染のこと。
 ・・20年前と変わってないそうです。そのまんまだそう。
 かの国は、何をおもって…、何もおもってないから、変えないのか・・。


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by ruksak | 2017-07-24 16:59 | 旅の本 | Trackback | Comments(2)

欧州紀行

欧州紀行   埴谷 雄高 著   中公新書  1972.12.20

 文芸誌に発表された9編の紀行文が収録されています。
 モスクワから始まる、東欧~北欧~西欧の「ヨーロッパの旅」のうち、西欧の国々を旅したときのことが書かれています。(旅行の前半部分は、『姿なき司祭-ソ聯東欧紀行』(河出書房新社 1970)で発表しているそうです)

 旅した年は、はっきりと書かれていませんが、1968年/昭和43年、だと思います。
 半世紀前の海外旅行ー、
 いつもの私なら現代との違いに興味がわくところですが、今回は、著者・埴谷雄高という人物に親しみを感じました。きっと気難しい方ではないんですよね。


 この本で、心に残った or 共感した 箇所がいくつかあります。

その1.巻頭の「見知らぬ空港で」で(←この作品だけ西欧に入る前です)
 旅の始め、カラチ経由でモスクワに行く予定が、機材故障で乗り継ぎできなかったために、経由の経由、かなり遠回りしてモスクワに向かうことになりました。
 見知らぬ空港で、あるときは言葉も通じず、担当係官も乗り場もわからず・・。しかし間一髪のところで空港職員の助けでその都度搭乗の飛行機に間に合いました。
 埴谷氏は最後の経由地からモスクワ行の飛行機の座席に身を沈めたあと、次のような思いが浮かびました。

“…外国旅行に必ず付随するところの或る種の罰ともいうべき喜劇にほかならず、…”

 そのときは冷や汗ものでも、旅の思い出を話すとき、「こんなことあったよね」と笑いながら話せることあります。
 前回のウルムチ旅行からまもなく5年経ちます。「コリゴリ」なんて書いたから、海外旅行からこんなに遠ざかってるのかなあ。

まだ続きがあります。
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by ruksak | 2017-04-14 16:59 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

極北シベリア

極北シベリア   福田 正己 著  岩波新書   1996.12.20

7月末の吹雪、40メートルの氷壁でのロッククライミング、老朽船で海氷おおう北極海を進む。極北の地での調査は冒険だ。また、なぞの地下氷エドマ、巨大な氷の網目、緑の小山ビンゴなど、永久凍土がつくりだす地形は不思議に満ちている。マンモスハンターや漁師たちとの出会いも含め、シベリアの知られざる大自然を描く。(表紙裏の紹介文より)

 北大の先生の、永久凍土の野外調査の報告のアカデミックな部分と、調査時の現地でのエピソードが楽しめます。
 と、思うのは私が北国の人間だから、かな。同じ寒いところに住む者として興味を覚えました。でも8月に雪が降り出す土地に出かけるのは厳しいですわ。

 紹介文にあった、‘シベリアの知られざる大自然’―、
 ほんとに日本ではシベリアのことはあまり知られてないんだなあと思いました。
 一番考えが及ばなかったのが、原子力発電所があるわけでないのに、放射能汚染の心配があること。それは、北極海沿岸の灯台や無線標識の供給電源として原子力電池が使われていて、電池内部から放射能が放出されるからといいます。この本が出版されてから20年経ちます。この問題はどうなったでしょう。

 ※追記:7月24日の記事にこの本に関する後日談あります 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^

 雪と氷、
といえば、

 先月、札幌と帯広で、冬季アジア大会が行われました。

 開会式が行われた札幌ドームです。
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 ドームの大型スクリーンに映った、大会マスコットの エゾモン です。これっきりでなくて他の競技会でも活躍してほしいな~。
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by ruksak | 2017-03-25 16:16 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

スコットランド 歴史を歩く

スコットランド 歴史を歩く  高橋哲雄 著  岩波新書  2004/6/18

‘歴史を歩く’ということなので、歴史上の事件や人物が年代順に登場し、史実とそれに対する著者の解説が加えられています。
 専門家の方が一生懸命書いてくださっているのに、歴史的な出来事はちっとも頭に入っていきませんでした。それでも、この本を途中で投げ出さなかったのは、「スコットランド」という‘地の果て’のような地に惹かれるからだと思います。

 旅行のガイドブックなどにも書いてありますが、スコットランドは南側のロウランド(低地地方)と北側のハイランド(高地地方)の二つからなっています。それぞれの地方に住む人々は歴史的に対立があって、それは現代も潜在的にあるのではないかと思うのですが・・。
 だとすると、近年のイングランドからの独立の機運は二つの地方の総意なのか、温度差があるのか気になります。

 スコットランドの伝統的民族衣装のキルトはかつては、“ハイランドの森の作業場での作業着”だったそうで、そのキルトをスコットランドの民族衣装へと価値を高めていったのは、“19世紀初頭の英語世界最大の歴史小説家”サー・ウォルター・スコットとのことです。
 何年か前に『ウォルター・スコット邸訪問記』を読んだときは、邸宅の人物がどれほどの方か存じ上げておりませんでした。
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by ruksak | 2016-10-01 00:01 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

シュリーマン旅行記 清国・日本

シュリーマン旅行記 清国・日本   
H.シュリーマン 著  石井和子 訳  講談社学術文庫  1998/4/10

 シュリーマンって、トロイア遺跡のシュリーマン? そのシュリーマンが日本に来たの?
 ・・・と、本を開いてみたら、その通りでした。

 本に書かれた著者の紹介文を抜粋すると、
ハインリッヒ・シュリーマン
1822年ドイツ生まれ。若い頃移り住んだロシアで藍の商売を手がけ巨万の富を得る。1864年世界漫遊に旅立ち、翌65年日本に立寄る。

 トロイア遺跡を発掘したのは、これよりあと1871年です。1865年といえば慶応元年、幕末の世の中が騒がしいときです。

“これまで方々の国でいろいろな旅行者に出会ったが、彼らはみな感激しきった面持ちで日本について語ってくれた。私はかねてから、この国を訪れたいという思いに身を焦がしていたのである。”

 と、いうことで、一か月の滞在中に、

“世界の他の地域と好対照をなしていることは何一つ書きもらすまいと”

 見聞きしたことを事細かく書き記しています。
 西洋文明とかけ離れた、風俗、衣食住について、歴史的資料になるのではないかと思えるぐらい、その描写力はすごいです。(訳者石井氏の訳文もとても読みやすかったです)

 当時の上海や北京、サンフランシスコへの船旅の様子と合わせて、約150年前の日本を旅することができます。巻末に訳者がアテネのシュリーマンの館を訪ねたときの文章もあります。

(リンクしたHPには、「3カ月の滞在」と紹介されています。中国かサンフランシスコへの船旅を含めて3カ月と記載したのではないかと思います。) 

強く印象に残ったことを細々と・・
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by ruksak | 2016-09-01 00:01 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)

流れる星は生きている ~追加で

 前回の、といっても一週間以上空いちゃいましたが、『流れる星は生きている』の続きです。
 やっぱり書きたいことがあって。

 著者たち日本人疎開団が満州・新京(現在の長春)乗った(貨物)列車は、北朝鮮の宣川(せんせん)という町までしか行かず、‘南側’行きを決行するまでそこで一年余り留まることになります。著者たち一団のほか多くの日本人が疎開団ごとにまとまって滞在してました。
 宣川にしばらく留まることになりそうだとわかると、働きに出られる人は朝鮮人から仕事、-肉体労働だったり、朝鮮人の家の家政婦になったりー、をもらって生活費を稼ぎに出かけます。

 地元の朝鮮人とは何語で会話したのかなあと気になりました。終戦直後のことだから日本語ですか。(日本語がわかる人と話したんでしょうか)
 著者たち満州からの疎開団は満州で中国人とかかわって暮らしていたと思います。文化の違う人たちと共存というか住み分けの方法を心得ていた、でしょうかね。
 
 働きに出られる時間が長ければその分収入が多いですが、著者のように小さな子どもを三人も抱えていたらたいした収入は得られず日々の食料にも事欠きます。
“朝鮮人の市場に行って、投げ捨てられた魚の頭や、野菜くずを集めて、その日その日を生きのびて”いました。
 満州を脱出してから悲惨で苦難なことばかりで、本を読みながら顔をゆがめてしまいます。三人の子どもと共に故郷の長野県に到着する〈ハッピーエンド〉で終えられて、読む側も心が救われました。


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by ruksak | 2016-04-04 13:06 | 旅の本 | Trackback | Comments(0)


旅する心はいつまでも


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